SPACE FOR YOUR FUTURE

会場:東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1)
会期:2007年10月27日〜2008年1月20日
時間:10:00-18:00
休館:月曜

21世紀の特徴は、個人が情報化され、価値観も多様化し、一方では多様なネットワークが発達したことです。ここ数年のジャンルを横断するクロスオーバーや創造の動向は、バックミンスター・フラーに象徴されるようなユートピアを目指して諸学が融合した20世紀初頭を想起させます。ただ、大きく異なるのは、私たちの身体や世界が環境、政治問題を含めてより複雑な状況に直面しており、異ジャンルの横断、協働(シナジー)はこの状況を共に生き延びていくための切実な手段の一つとしてたちあがってきている点なのです。例えるなら、バイオテクノロジー、遺伝子組み替えなどの研究が生き延びるための一つの方法であるように。本展覧会は、これらの表現の新たな動向をアート、建築、ファッション、デザインなど広い範囲のヴィジュアル・クリエイションから選んだ13カ国34アーティスト/クリエイターの作品を通して見せようとする企画展です。SPACE FOR YOUR FUTUREというタイトルにおいて、SPACEは、単なる物理的な空間でなく、自分の身体とその外部を入れ子状に含んだ、一つの環境としての空間を意味しています。領域横断の傾向は多くのクリエイティブな建築家、デザイナー、アーティストにみられ、彼らは一つのヴィジョンのもとに、複数のジャンルの表現手段や方法を自在に操りながら表現をおこなっています。それはDNAの自在なプログラミングに似ています。彼らがこの展覧会テーマに対して、身体や空間に関するさまざまな提案を行います。本展は、マルチ・ディシプリーナリーな創造を提案する都市、東京から発信する新たな文化的マニフェストとなることでしょう。

どなたかもおっしゃっておられたが石上純也はずるい。あの物体が他の作品を見ている間もチラチラ見えて、他の作品があの作品へのプロローグに過ぎないかのような期待感を持たせていて。
エルネスト・ネト:写真でも観てたけど実物もやっぱりおもしろい。一人で行ったのであれを着る勇気がなかった。着てみたかった。
カールステン・ニコライ:2年前に山口情報芸術センターで観た「シンクロン」のほうが好きだった。でも、シンクロンが音と視覚を同種の刺激で表現していたように感じたけど、今回の「フェーズ」はあの音と霧という異質な組み合わせが新鮮でこれはこれでよかった。
オラファー・エリアソン:いつもの感じ。でも原美術館のほうがいろいろあっておもしろかった。
デマーカスファン:さりげなく置いてあった「シンデレラテーブル」が個人的には一番気になった。木目が複雑な造形でうねってゆく姿は、CGのテクスチャマッピングの非現実感に通じるものがあってはっとした。よい。
タナカノリユキ:「沢尻エリカが100の異なるキャラクターを女優として演じ分けている、、」と解説されていたが、私にはどんな格好をしていようがひとつの沢尻エリカにしか見えなかった。
SANAA:くだらない。手を抜くのにもほどがある。
おもしろいもの、おもしろくないもの、批評に値しないもの、いろいろあったけれどトータルで見ると楽しめる内容だと感じた。でも、ここまでのコンセプトなら美術館という箱のありかたから考えるくらいの過激さがあってもよいのではないのかと思う。従来型の展示室で順路に沿ってこれを見せてゆくことにどれほどの意味があるのだろうかと感じた。