住吉の長屋

設計:安藤忠雄(1976年) 1979年 日本建築学会賞
所在地:大阪府大阪市住吉区
20140911_162055
安藤忠雄の不朽の名作。彼が35歳のときの作品。オーラのあるファサード
狭い路地に面した、間口2間・奥行き8間の長屋の建て替え。住宅なので中には入れないが、有名すぎて建築学生ならみんなどんな内部空間か知っている。直方体の長屋を3分割し、真ん中部分を生活動線を断ち切るように屋根の無い中庭が挿入されている。雨の日は傘をさして中庭を通って部屋を移動しなくてはならない。住む者にも覚悟が必要な住宅。そしてすばらしい住まい手によってこの住宅は伝説になったのだと思う。
著名な建築家による斬新な住宅作品もすぐに売りに出されたり、住み手が変わって荒れてしまったりという事例は多い。この住宅の施主は40年近く経った今も大切に住み続けている。安藤忠雄にそろそろ中庭に屋根でも掛けたらと提案されても拒否したらしい。