MOBILE ART IN TOKYO -CHANEL CONTEMPORARY ART CONTAINER by ZAHA HADID

設計:ザハ・ハディド(2008年)

会場:国立代々木競技場オリンピックプラザ特設会場(東京都渋谷区神南2-1-1)
会期:2008年5月31日〜2008年7月4日
時間:11:00-18:40(月−木) 11:00-21:20(金・土) 10:00-18:20(日)
休館:会期中無休
入館料:無料(事前予約制)

二年間をかけて世界の主要都市を巡る、シャネルの一大アートプロジェクトがいよいよ東京に。世界的建築家ザハ・ハディドが最先端のテクノロジーを駆使して創りあげた流線型の移動式パビリオンを会場に、20組の国際的な現代アーティストたちの手による作品がずらりと並ぶ。不思議でアートな異空間へようこそ!
キュレーター:ファブリス・ブリストー
参加アーティスト:荒木経椎 / オノヨーコ / ダニエル・ビュレン / イ・ブル / ソフィ・カル / 田尾創樹 / ロリス・チェッキーニ / ヴィム・デルヴォワイエ / レアンドロ・エルリッヒ / シルヴィ・フルーリ / 楊福東 / スボード・グプタ / ファブリス・イベール / ピエール&ジル / Y.Z.カミ / デヴィッド・レヴィンソール / マイケル・リン / ブルー・ノージズ / スティーブン・ショア / 束芋

http://www.chanel-mobileart.com/

念願のザハ・ハディドによるシャネルモバイルアートに行ってきました。ザハ・ハディドの建築は初体験。ユニークな形態と空間だと思うけど、可動式コンテナという与条件から導かれた形態では間違いなくないわけで、かといって内部の展示空間や作品と密接に連携しているかとそうでもない。伊東豊雄がどこかで、「ザハの曲線には根拠がない。」と言っていたのが分かった気がした。伊東豊雄の曲線にも根拠は見出しにくいけど。
展示のほうは、時間をずらして10人くらいずつ入場する。入るとお姉さんが専用のMP3プレーヤーを首からかけてくれて使い方を説明をしてくれる。イヤホンからは音楽と老婆のナレーションが聞こえてくる。「立ち上がりなさい。」「そして、左へ向かって歩きなさい、1、2、3、、、」というふうに耳から聞こえる指示通りに動いてゆく。みんなそれを付けている。みんな指示通りに動いている。だからたとえカップルの人たちでも行動は別。隣の人がすくっと立ち上がっておもむろに歩き出す姿は、まるでロボットのようでもあり、そして自分も同じように音声指示に従って規定された行動をする。自己から見た他者がロボットのように行動し、自己も他者からは同じようにロボットのように見られる様は、なんだかとても不思議で、それ自体がインスタレーションのよう。
作品は、レアンドロ・エルリッヒが断然好きだった。金沢21世紀美術館レアンドロのプールよりずっといい。
シャネルでディスプレイヤーをやっているAさんの話では、ナレーションは日本語版と英語版とで全然雰囲気が違うから、2回行ったほうがいいと言われていたけど、その意味がなんだかわかった気がした。日本語は悪くないけど個人的にはベストではないと感じた。夏木マリとかのほうが合っている気がする。英語力に自信がある人は英語版を是非お試しください。
ナレーションに誘導されて鑑賞するので、芸術を観たというよりも、映画を観た後のような不思議な余韻。もう一度観たいけど、もうチケットは完売らしい。