アートによるまちづくり

今日は月に一度の私たちが主催する市民を対象にした外部講師を招いての勉強会。今日のテーマは「アートによるまちづくり」。
ニッセイ基礎研究所の吉本光宏氏によるレクチャー。
EU諸国のアート都市戦略を実例を交えて紹介。欧州各地では重工業からサービス産業へという脱工業化に伴って衰退した工業・港湾都市を芸術文化によって再生しようという動きが活発で、各地で多くの成功事例が誕生している。

とにかく興味深いレクチャーだった。
感じたのは、アートに対する行政、市民の意識が違うこと。ナントでは市予算の10%以上が文化予算。ケタが違う。予算の10%とは人口1人当たり年間16000円らしく、熊本に換算すると、人口が約70万人だから、年間110億円が文化予算に充てられるということ。すごい。単にお金をたくさんかければいいという問題ではないが、モノに対する考え方も違う。ルールの炭坑は工場をまったく壊さずにそのままアート空間に転用してテーマパークにしている。かつて公害をまきちらした負の遺産も取り壊さず市民の記憶としてしっかりと残そうとしている。日本だったら全部壊して記念碑でも建てて終わりって感じだろう。