荒木経惟「往生写集 - 東ノ空・PARADISE - 」

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会場:資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8-8-3 資生堂ビル地下1階)
会期:2014年10月22日〜2014年12月25日
時間:11:00-19:00(日曜・祝日 11:00-18:00)
休館:月曜
入場料:無料

アラーキーの愛称で知られる荒木経惟は、60年代から幅広い被写体にカメラを向け、常にセンセーショナルな話題を振りまき、社会の注目を集め続けてきた写真家です。1964年に下町の子ども達を撮った写真集『さっちん』で、第1回太陽賞を受賞。1971年の愛妻・陽子との新婚旅行を記録した『センチメンタルな旅』では、自らの日常を日記のように記録した「私写真」という独自の世界を切り開きました。展覧会タイトルの「往生写集」は、平安時代の僧侶・源信が著した仏教書『往生要集』(985年)から想を得た荒木の造語です。の最終開催地の資生堂ギャラリーでは、「死=往生」から「再生」にかっていく、荒木の現在の心境を捉えた作品を中心に展示する予定です。「東ノ空」は、東日本大震災後、亡くなった方への鎮魂を願うと同時に、被災地の復活を祈りながら、彼が毎朝自宅の屋上から撮り続けている最新作です。これから新しい時を刻む東ノ空は、静かに生命の力が湧いてくる、まさに再生・復活のシンボルといえるでしょう。一方の「PARADISE」は、一見暗闇の中に色鮮やかな花が咲き誇っているかのようですが、実は、朽ちかけた花と人形を写した生と死の物語です。「花は死の一歩手前が最も官能的」と語る荒木が、移ろいゆく花の姿を人の生命にたとえ、はかなさゆえの愛しさや、かけがえのなさを捉えた作品です。また、本展のためにこの夏撮り下ろした「銀座」もご覧いただけます。「死」を意識し往生の準備を始めた荒木が、人生を振り返りながら豊田、新潟と旅を続け、資生堂ギャラリーから「再生」という新たな旅に出かけようとしています。
資生堂ギャラリーhttp://www.shiseido.co.jp/gallery/

朽ちかけた花と人形を題材にした「PARADISE」、鮮やかな色彩だけど蜷川実花とかとは全然違う雰囲気。