6才のボクが、大人になるまで。

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監督・脚本:リチャード・リンクレイター
出演:エラー・コルトレーン / パトリシア・アークエット / ローレライ・リンクレイター / イーサン・ホーク

主人公は、テキサス州に住む6歳の少年メイソン。キャリアアップのために大学で学ぶと決めた母に従ってヒューストンに転居した彼は、そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父との再会、母の再婚、義父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していく。やがて母は大学の教師となり、オースティン近郊に移った家族には母の新しい恋人が加わる。一方、ミュージシャンの夢をあきらめた父は保険会社に就職し、再婚してもうひとり子供を持った。12年の時が様々な変化を生み出す中、ビールの味もキスの味も失恋の苦い味も覚えたメイソンは、アート写真家という将来の夢をみつけ、母の手元から巣立っていく。

主人公のメイソンが6歳から18歳になるまでの家族のドラマを同じ役者で本当に12年間掛けて撮ったというとんでもない作品。だから出演者の髪型もバンバン変わるし、シーンが変わって数年後になっていると一瞬誰が誰だかわからなくなることもある。2002年から毎年数週間ずつ撮影していたとのこと。本当に気の遠くなるほど野心的な作品。まさに映画界のサグラダ・ファミリア
彼らの成長を親戚のオジサンのように客観的に見ることもできたけど、母オリヴィアの離婚や新しい父の暴力など胸が締め付けられるような青春時代を過ごすメイソンとサマンサに感情移入した。母オリヴィアの苦闘は苦しくても歯を食いしばって前を向く事、父メイソンSrのダメなところ満載だけど楽天的で要所要所で子供たちに良い示唆を与え続けるところ、、、子を持つ親として学ぶところがすごく多かった。
3時間という長い映画だったけど、それを感じさせない12年間と言う時間軸と密度。