グランド・ブダペスト・ホテル

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脚本・監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ / トニー・レヴォロリ / F・マーレイ・エイブラハム / マチュー・アマルリック / エイドリアン・ブロディ / ウィレム・デフォー / ジェフ・ゴールドブラム / ジュード・ロウ / ビル・マーレイ / エドワード・ノートン / シアーシャ・ローナン / ジェイソン・シュワルツマン / ティルダ・スウィントン / トム・ウィルキンソン / オーウェン・ウィルソン

ムーンライズ・キングダム」「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督が、高級ホテルのコンシェルジュとベルボーイが繰り広げる冒険を、名優レイフ・ファインズを筆頭にオールスターキャストで描いた。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を取り仕切り、伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hは、究極のおもてなしを信条とし、宿泊客のマダムたちの夜のお相手もこなしていた。ホテルには彼を目当てに多くの客が訪れるが、ある夜、長年懇意にしていたマダムDが何者かに殺害されてしまう。マダムDの遺産をめぐる騒動に巻き込まれたグスタヴ・Hは、ホテルの威信を守るため、信頼するベルボーイのゼロ・ムスタファを伴い、ヨーロッパを駆けめぐる。

まずお話は期待通り文句無く面白かった。
私はどうしても登場する建築とかに目がいってしまうのだけど、ホテルの外観は荘厳なシンメトリーでミステリアスなオーラを放ちつつ、色はこの様式の建築ではどこにも存在しないであろうピンク色で塗られていて独特の世界観を作り出していたし、ウェスの遊び心が感じられた。
3月にオランダを旅したときに泊まったアムステルダムの「LLOYD HOTEL」も、シンメトリーの美しい外観はまさにこのホテルと同じ感じで(ピンクではないが)、移民の宿泊所→ナチス統治下では収容所→戦後は刑務所→今はホテル、、、という時代の波に翻弄された歴史が、後半は軍の宿泊施設になってしまった「グランド・ブダペスト・ホテル」となんだか重なる部分を感じた。