ダンシング・チャップリン

監督・構成:周防正行
出演:草刈民代 / ルイジ・ボニーノ
振付:ローラン・プティ
音楽:チャールズ・チャップリン

フランスの巨匠振付家ローラン・プティのバレエ作品『ダンシング・チャップリン』を周防監督が映画化するまでを追った前編のドキュメンタリーと、『ダンシング・チャップリン』本編の二部編成で構成されている。チャップリンを演じるのは、プティが長年信頼を寄せるルイジ・ボニーニ、『街の灯』の盲目の花売り娘など、ヒロインを演じるのは、プライベートでも周防のパートナーである草刈民代

奥さんの前々からの希望もあり観に行ってきた。映画化するまでを追ったドキュメンタリーの第一幕と、バレエ『ダンシング・チャップリン』本編の第二幕で構成されていて、その間に5分間の幕間(休憩)もある。私はバレエのことはよくわからないので、第一幕はとてもおもしろかった。ルイジ・ボニーノと草刈民代との真剣だけどユーモアも交えた稽古や打ち合わせの様子や、周防監督がローラン・プティに丁重にお伺いを立てて、プティに「屋外での撮影は必要なし。やるなら私は降りる。」とズバっと言われてあわわあわわしているところなど。舞台裏が見られるのはおもしろい。
そして第二幕はバレエ鑑賞の経験がない私にはとても新鮮だった。第一幕で稽古のシーンや難問が発生したシーンなどのプロセスを見ているので、バレエ素人の私でも答え合わせをする感覚でとても楽しめた。そしてプティの反対を押し切って周防監督は屋外撮影をしていた。舞台中継のようにしたくないという周防監督の意図だったので屋外の幕があるのは目先が変わってとてもよかったと思うけれど、それが明らかに日本のゴルフ場とわかるところというのはどうなのかなと思った。樹種などで日本だとわかってしまってちょっと興醒めしてしまう。頑張って海外で撮ってほしかった。