いけばな-160

写景盛花様式本位 夏の近景描写
久しぶりの様式。しかも今月の研究花。
まず、睡蓮の葉に水揚げポンプで水を入れる。睡蓮の葉は水揚げが悪いのでこうして強制的に葉脈に水を入れてあげないと葉が丸まってしまう。右の写真の葉の色の濃い部分はポンプで水を入れたところ。この作業が終わったらとりあえず睡蓮は水につけておく。次に、雪柳を普通の傾斜型のようにいける。そして七宝の小穴に3本の太藺を長さを変えて挿す。最後に睡蓮。まず花を七宝に刺し、流し葉という細くて長い茎を持った小さな葉を水盤に漂わせる。そして先ほど水揚げした葉を花を中心に配置してゆく。睡蓮の花や葉は太藺や雪柳など主材の後方と、客となる右手前の2カ所に挿すのだけど、この2カ所の葉同士がくっつかないように、間に水の空間を作るようにしなければならない。この空間を魚道という。まさに魚が通る道。これがないと水面が葉で覆い尽くされて夏らしい涼やかさが出ない。でも睡蓮の葉が大きいので、この魚道をつくるのも一苦労。
今週末にはこれを50分でいけなければならない。何が大変って、とにかく作業が多い。睡蓮の葉の下作業に時間がかかるし、雪柳は細いので七宝で留めるのは大変だし。時間切れにならないように手際よくやらないと。