原研哉 「白」

会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)(中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル)
会期:2008年10月7日〜2008年10月31日
時間:11:00-19:00(土曜 11:00-18:00)
休館:日曜・祝日
入場料:無料

自分の個展の上に「白」という言葉を置いてみることにした。「白」はテーマそのものではない。いわばイメージの触媒のようなものだ。そういう言葉を自分の仕事の上に置くことで、二酸化マンガン過酸化水素水をかけると酸素が発生するように、鮮烈なイメージがわき出して、ひとつの展覧会が表現できるかもしれないと考えた。六月に『白』という本を上梓した。これは「白」をひとつの美意識の中心、あるいは美を見立てていくパースペクティブのひとつの消失点のようなものととらえて、それを軸にぽつりと小さな論考を編んでみたものだ。勿論、書籍で表現したものは、簡単に展覧会にはならないけれども、ここしばらく興味や意識が「白」を巡って推移してきたわけで、この言葉を携えて自分の仕事を振り返ることで、何かがはっきりと輪郭をなしてくるかもしれないと期待している。(原研哉
ggghttp://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

「白があるのではない。白を感じる感受性があるのだ。だから白を探してはいけない。白いと感じる感じ方を探るのだ。」
最新著書「白」の一節。このほかにも白という色についての探求が続く。私も白が好きで私なりの考えを持っているけど、ここまで理論的に整理して白というものの特性を大袈裟でなく正しい日本語で述べられてるのを見て、なぜ自分が白が好きなのかを、原研哉に教えてもらっているような不思議な気持ちになった。
展示は、撥水加工した白い器の上を水滴が生き物のように美しく駆け巡る『蹲踞(TSUKUBAI)』が息を飲むような素晴らしさ。あと10日で終わるけど、是非行ってみてください。

白