いけばな-113

色彩盛花様式本位 花菖蒲
10種ある色彩盛花の様式のひとつ。

七宝をこのようにおいて、花菖蒲の葉は自然組み。前と後の葉組をいっしょに折り曲げて奥の穴に挿す。そして花菖蒲の花をその間に挿す。こうすると葉が左右にうまく広がった感じになる。花の長さは花器の直径+深さよりやや長めに。手前の花は前の葉を必ず3枚組にする。一番低い3つ目の花は最初の主枝を挿した穴と同じ穴の隅に差す。葉組はその手前に挿す。一番右の写真が花菖蒲を挿し終わったところ。

次に副枝と客枝のいぼたをいける。副枝となるいぼたは主枝の3分の2より短めで手前の七宝の横穴に45度傾斜させて挿す。そして客枝は手前右端の横穴に60度傾斜させて挿す。さらにいぼたを中間枝として短く七宝が隠れるように挿してゆく。奥の花菖蒲の足元も隠れるように花菖蒲を取り囲むように挿す。最後にナデシコをいける。副枝と客枝と中間枝のいぼたでグリーンのみになっているので、間にナデシコの花色を入れることでメリハリをつける。これを「色切り」と呼ぶ。このはかないナデシコを挿しただけで、水盤の風景は一変する。最後に必要に応じて奥のほうに花菖蒲の葉を挿して完成。
花菖蒲の濃いグリーンといぼたの淡いグリーンのコントラストとナデシコの挿し色が絶妙で、かなり好きな取り合わせ。