象設計集団 + 富田玲子「小さな建築」

会場:東京デザインセンターBF ガレリアホール(東京都品川区東五反田5-25-19)
日時:第1回 2008年4月17日(木)/第2回 2008年5月23日(金)/第3回 2008年6月11日(水) 開場18:00 開演18:30-20:30
定員:150名(定員になり次第、受付終了)
参加費:2,000円(各回)
建築家・富田玲子が建築や街に寄せる熱い想いを語った『小さな建築』は、建築専門外の人たちにも、街のこと、建築のこと、住まいのことを、食べることやお洒落をすることと同じような感覚で考えてもらいたいと願って出版したものです。その本の中から、「子ども」「老い」「街と建築」の3つに焦点をあてて、毎回お招きする2人の語り手とともに、話の輪を広げていきたいと3回連続のシンポジウムを企画いたしました。誰もが、日常の暮らしや身体感覚から、建築や街のことを考え、議論を深めていけば、今よりも住みやすい街になるはずです。
第1回 テーマ「子どもの居場所」
谷川俊太郎(詩人)・佐藤学(教育学者)・富田玲子(建築家)
  
街で遊ぶ子どもが少なくなった。保育園も学校の建物も四角い堅い箱。子どもを取り巻く環境はおかしくなっている。面白くって、素晴らしい居場所があれば、子どもはのびのび輝く。谷川俊太郎には、ことばから身体へ、身体から空間へと向かう子どもの世界が誰よりも深く鮮明に見えている。日本や世界の教育現場を見ている佐藤学は、子どもの創造力やコミュニケーション力に、空間の質が大きく影響することを知っている。分野の違う3人が、子どもの輝く居場所を縦横に語る。
第2回 テーマ「老いをくらす」
上野千鶴子(社会学者)・片倉もとこ(文化人類学者)・富田玲子(建築家)
  
世界一の超高齢社会日本。上野千鶴子がいう“みーんなシングル”の時代というのは大げさな話ではない。どこでどう暮らすか、どんなふうにおわるか。孤独死とはまったく違う、ひとりだけどさみしくない、ハード・ソフトの知恵も工夫もこれからだ。片倉もとこによれば、イスラームの世界では老いを意識しないようだ。異なる視点で見ていくと、多様な老いをくらす世界が広がっていく。すがすがしい3人の語りで、かろやかに、美しく、楽しく、ひもとく。
第3回 テーマ「わくわくする建築・街」
藤森照信(建築史学者・建築家)・陣内秀信(都市学者)・富田玲子(建築家)
  
超高層が林立する巨大で複雑な都市、ツルンとした無表情の均質な街で、人々はわくわくする気持ちを忘れて暮らしている。わくわくする建築をつくっている藤森照信は、日本や世界の街を歩きながら意表をつくものや空間を発見をしている。ヴェネチアや、地中海沿岸の都市を研究テーマにしている陣内秀信は、人々の喜怒哀楽が積層された街にわくわくするという。人のぬくもりや息づかいが感じられる「小さな建築・街」を、私たちの手に取り戻す方法はきっとあるはずだ。

小さな建築

小さな建築

ケヴィン・リンチの「都市のイメージ」を丹下健三とともに翻訳した、象設計集団の富田さんのトークイベント。