上勝アートプロジェクト@代官山


先日の日記で紹介した、上勝アートプロジェクトのトークセッションが代官山のヒルサイドテラスで開催されたので行ってきた。
今年の国民文化祭が10月下旬から徳島で開催され、県内の各市町村で様々なイベントが行われる。徳島県上勝町は文化祭終了後も恒久的に残る独自のアートプロジェクトにしようと、越後妻有トリエンナーレでもおなじみの北川フラム氏をコーディネーターに迎え、日比野さんやみかんぐみの曽我部さんなど5人のアーティストが町内のそれぞれ異なる場所で地域住民と創作活動に取り組んだ。今日は北川氏と4人の参加アーティストによるトークセッション。
國安氏は地元の間伐材を使ったダイナミックな塔。日比野氏は「射手座造船所」と題して里山に木製の巨大な船を建造。たほ氏は地元の人たちと造った陶器のポットに花を植えて象形文字とした作品。曽我部氏は間伐材でシェルターのような建物を造った。
4人が異口同音に言っていたのは、「上勝の人たちはすごい。」ということ。わずか人口2500人の小さな町なのに、各プロジェクトとも住民の協力度が半端でなくすごいらしい。きっと彼らにとっては訳わかんないであろう現代アートのために、惜しげもなく協力してくれる。数千本の間伐材の皮むきなど、途方も無い作業を地元の人たちが喜んで楽しんでやっていたそう。日比野チームの射手座造船所は、当然船なんか造ったこと無い人たちが、なんかわかんないけど船を造っている。全長20mの巨大な船を。「なんで船を造るんだ?」とかきっとどうだっていいんだろう。
國安氏は、これは都会と違って地域のコミュニティがしっかりしているからこそなせる業だと当初思っていたそうなのだが、地元の話を聞くと、みんなでこんなことをするのは初めてでだから楽しいんだと言っていたそう。國安氏は一生忘れられない仕事になったと興奮気味に語っていた。
熊本で少しの間だけまちづくりに関わったけど、いろいろ考えさせられた。熊本も熱い人が多い。でも地域性というのはいろいろあって、熊本も上勝のようにいくだろうか、、、とか、上勝では神奈川大学曽我部研の学生や芸大日比野研の学生など若い人たちも多く参加したようだけど、いまの熊本も同じようにできるだろうか、、、など。
まちづくりに学生が関わるとき、理屈無しに行動力が一番必要で、学生は若さとエネルギーだけが取り得なわけで、まちのひとに「頼みづらい」とか思われたらおしまいだし、頼まれたからやるとか、これが自分の研究に役に立つかとか、ボランティアしてあげてるなんて思ったら、まちに関わる資格は無いわけです。でも、そんなバカできるエネルギーを持った学生が減ってきているのも事実。やろうぜやろうぜってアートポリスとかやってた仲間や後輩を懐かしく思った。
終了後、日比野さんとしばし談笑。今週いっしょに熊本に行く。そこに曽我部さんもやってきて少し話した。曽我部さんと熊本は関わりが深い。さらに、日比野さんに明後日朝顔プロジェクトを仕切っている方も紹介してもらった。来年以降の明後日朝顔プロジェクトにうまくコミットできる環境ができるとうれしい。
そういえば、日比野さんに12月からの熊本での日比野克彦展「HIGO BY HIBINO」の缶バッジをもらった。