いけばな-372

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  • 花菖蒲(アヤメ科)

写景盛花様式本位 夏の近景描写 花菖蒲
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先週の燕子花は女性的、この花菖蒲は男性的に。具体的には燕子花と違い葉を開かずシャープで直線的に。葉組などの決まりもすべて逆。
左の写真の8カ所に葉を組んで挿す。花が入るのは1番と3番と6番。
葉組には下記の3種類で、葉先の爪が内側を向くように組むのは燕子花と同じだが、葉組は燕子花と逆。

  • 二枚組(表組):二枚の葉のうち長い方が手前で短い方が奥。長さは短い方は長い方に対して1割くらい短くする。
  • 二枚組(裏組):二枚の葉のうち短い方が手前で長い方が奥。長さはの比率は表組と同じ。
  • 三枚組:葉の組み方は手前から順番に、三番目に長い葉→二番長い葉→一番長い葉。一番長い葉の爪は二番目に長い葉の方に向ける。

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まず3本の花の長さを決める。主枝は規定の長径+深さより長めにとる(長径の1.5倍くらい)。副枝は主枝の一包下がり(主枝の一包の付け根のところと副枝の包の上部が同じ長さになるように)。客枝は副枝の半包下がりとする。
花の長さが決まったら、1番の主枝から挿す。主枝の花は第一包が手前。葉組は二枚組の表葉表組で左側を高くする。長い葉の高さは花の花首まで。燕子花と大きく違うのは、燕子花は葉組の手前に花を挿すのに対し、花菖蒲は葉組の奥に花を挿すこと。
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続いて2番3番の葉を挿してゆく。2番は二枚組の裏葉裏組で右が長く、3番は裏葉の三枚組で左が長くなるように。つまり長いほうの葉は1番(左)→2番(右)→3番(左)というふうにジグザグになる。長さは2番の長い方は1番の短い方と同程度、3番の長い方は2番の短い方と同程度というように手前になるほど短くなってゆく。このあたりは燕子花と同じ。そして3番には副枝の花が入る。花は葉組の奥に第二包が手前を向くように挿す。
挿す順番は自由だが、花菖蒲の場合は4番5番より客枝が入る6番から挿した方がやりやすいみたい。6番は裏葉の三枚組で右が長く、7番は二枚組の裏葉裏組で左が長く、8番は二枚組の裏葉裏組で右が長くなる。6番の葉の長さは客枝の花首までで、後は同様に、6番→7番→8番の順に短くなってゆく。花は6番に入り向きは第二包が手前を向くように。
最後に、主枝の株の右側の4番と5番を挿す。4番は裏葉の三枚組で右が長く、5番は二枚組の表葉表組で左が長くなうように。長さは4番の長い葉が1番の6割程度になり、5番の短い葉は4番の長い葉と同程度になるように。