いけばな-275

20130507_203127 20130507_203238

  • 燕子花(アヤメ科)

写景盛花様式本位 夏の近景描写 燕子花夏の五株挿し
毎年この時期にいける燕子花の様式。昨年の出来映えはこちら。葉組など難しいので一昨年にメモしたものを昨年も転載していたけど、今年も同様に転載。

左の写真が挿法を先生が図示してくれたもの。花が入るのは1番と6番と9番。
中央の写真のように水盤に七宝を配置。円に内接する正方形を描き左上の角に主枝の株が、左辺の下から5分の1のところに副枝が、右下角に客枝が入るように。
葉の組み方は、二枚組が表組と裏組、そして三枚組の3種類があって、二枚組の表組は短い方が手前、長い方が奥。二枚組の裏組は長いほうが手前、短い方が奥で、長さは短い方は長い方に対して1割くらい短くする。三枚組は手前から二番目に長い葉、一番長い葉、一番短い葉の順に挿し、一番短い葉は一番長い葉の6割くらいの長さとする。
まず右の写真のように左図1番の主枝を挿す。葉組は2枚組の表組で左側(円周側)を高くする。高い葉の長さが器の直径+深さ程度になるように。花は花首部分が長い方の葉と同程度になる長さで。花の向きは第一包が手前に向くように。

続いて左の写真のように2番3番の葉を挿してゆく。2番は二枚組の裏組で右が長く、3番は三枚組で左が長くなるように。つまり長いほうの葉は1番(左)→2番(右)→3番(左)というふうにジグザグになる。長さは2番の長いほうは1番の短いほうと同程度、3番の長いほうは2番の短いほうと同程度という風に手前になるほど短くなってゆく。
次に写真中央のように主枝の株の右側の4番と5番を挿す。4番は三枚組で右が長く、5番は二枚組の裏組で左が長くなうように。長さは4番の長い葉が1番の半分程度になり、5番の短い方の葉はその4番の長い葉と同程度になるように。
そして右の写真のように副枝の株を挿す。6番は三枚組で左が長く、7番は二枚組の裏組で右が長く、8番は二枚組の裏組で左が長くなる。長さは6番の長い葉が、1番の短い葉と同寸くらい。あとは主枝の株と同じ要領で、6番→7番→8番の順に短くなってゆく。花は6番に入り、6番の葉組が1番より低いように花も低くなる。

左の写真が副枝の株まで挿し終わったところ。
続いて中央の写真のように客枝の株を挿す。9番は三枚組で右が長く、10番は二枚組の裏組で左が長く、11番は二枚組の裏組で右が長くなる。長さは9番が6番よりやや短くなるようにし、後は同様に、9番→10番→11番の順に短くなってゆく。花は9番に入る。
最後に右の写真のように、客枝のとなりの株を挿す。12番は三枚組で左が長く、13番は二枚組の裏組で右が長い。12番は4番よりやや短くなるようにし、それよりもさらに13番が短くなる。
このようにして出来上がり。長々書いたけれどポイントは次の通り。

  • 葉組は株の一番手前は全て三枚組
  • 表組で組むのは主枝より後ろにある1番と5番のみであとは全て裏組で組む
  • 各株の葉組長さの順番は、水盤の中央より外寄り(奥や手前)にあるものほど長く、中央に向かうに連れて短くなってゆく
  • 組む葉のペアの長短は水盤の外周に接するところ(1番・6番・8番)は外周側の葉が長くなるように組み、水際側(4番・12番)は水際側が長くなるように組む