被災地を訪れて感じたこと


今回は宮城県の被災地を縦断した。多くの方が亡くなられ被害が大きかった、報道でも多く取り上げられた場所を中心に視察した。バスを降りて視察したこれらの場所の多くは市街地エリアで半年経過した現在は倒壊した建物のほとんどは取り払われ更地同然になっており、ここにかつては建物が建ち並び人びとの営みがあったのだと想像力を膨らませなければ被害の全貌を感じ取ることができなかった。それに対し、これらの都市間をバスで移動する途中で車窓から見えた小さい集落の多くはまだ手つかずの状態で、今も被害の強烈な爪痕を残していた。むしろこれらの小集落をもっとじっくり視察したかった。また、鉄道や橋などはまだまだそのままになっているところが多く本当に悲惨な姿だった。めくれ上がった線路、橋脚を残して跡形も無くなった陸橋、瓦礫に埋め尽くされたトンネルなど。これらが復旧する日は来るのだろうか。
これら住宅などの建物、道路や橋や鉄道などのインフラ、これらがメチャメチャに破壊されている姿はそれはそれでショッキングだったが、それよりもショックだったのは地盤沈下だ。建物やインフラなど人間が造り上げたものはまた造ることができる。しかし地盤沈下し陸だったところが海になっている箇所があまりに多い。盛土をすればどうにかなるというレベルを遥かに超えている。まさに地球の形が変わってしまっている。多くの方が亡くなられた津波にも大変なショックを受けたが、現場を訪れてこの地盤沈下の被害を目にし、絶望的なショックを受けた。