家元とファーストコンタクト

以前書いたけれど、小原流の家元は若い。まだ大学を出たばかり。先代が早く亡くなったので幼い頃から家元をしている。その家元が大学を卒業していよいよ本格的な家元としての活動をスタートさせた。家元作品は大木を使用したりする大作が多いので力仕事も必要になる。普通は超ベテランの幹部の先生がサポートするのだけど、幹部の先生方は女性が多いし高齢の方が多い。そこで若い男性会員が集められて家元の創作のサポートをする部隊が結成された。私もその中の一人に指名された。
今日は家元をお手伝いする最初の日。月末から新宿高島屋でスタートする小原流花展に先駆けて、2回正面玄関のショーウィンドウに家元が作品を展示するのでそのお手伝い。お昼前に高島屋に集合。家元にご挨拶。家元はかなり遠くから見たことがある程度で、もちろん話したことなどない。普通の兄ちゃんだけど、それなりに緊張した。

まず、とても大きな木を1階から2階に運んだ。てっきり荷物用エレベーターみたいなので運ぶのかと思っていたら、普通に抱えて階段で運んだ。すごく重い。久しぶりに重いものを持って、自分の体力の衰えに少し驚いた。
それをショーウィンドウに設置した後は、家元がその木に花やら枝やら装飾を設置し始める。幹部の先生たちは鉢物の根洗とかをものすごい手際でやっていく。私たちはポケーっと見ておくことしかできない。学生時代にバイトしていたときもそうだったけど、やることがないときが一番そわそわする。サボっているように見えないように、ゴミを集めたり水を運んだりできることはなんとかやった。

これが家元。
この日は公開いけ込みだったので、買い物客などが足をとめて結構な人だかりになっていた。13時から本格的に始まったいけ込みは16時くらいには終了。

最後に照明を調整して完成。照明を当てるとまた美しいたたずまい。
終了後、近くのカフェで簡単な会合。簡単な会合のはずが、家元も含めてみんなビールを飲み始めたので私も。その後、幹部は帰って、若手の男たちと家元とで近くの居酒屋に飲みに行った。みんなこのあたりから酔っぱらってきて、脱ぎだすやつは居るはでかなりの大騒ぎ。

脱いでる人たち。もう完全に悪ノリ。家元は苦笑い。
結局、16時くらいから22時くらいまで盛り上がった。かつては家元とは話すどころか、その作品の手伝いをすること、花材に触れることも許されなかったそうなので、こうやって身近に家元と酒を飲んだりできることは光栄だし、楽しい。