研究室の猫

うちの研究室には猫がいる。私が研究室に入ってころからいるから、かなり長い間いるはずだ。研究室にいるというより、建築学科の建物内を自由に動き回っている。

顔はこんなふうであまりかわいくない。でも、こいつは人間と会話ができる。目が合ったり、何かこちらが話しかけると、必ず「にゃー」と返してくる。会話というか挨拶や返事でしかないのだけれど、挨拶や返事もろくにできない人が多い世の中にあって、なかなかたいしたもんだ。
しかもこいつは、エレベーターに載って建物内を移動する。もちろん自分で階数ボタンを押すことはできないけれど、上の階に行きたいときはエレベーターの前でだれかが乗るのを待っている。そして、誰か来ると速やかにエレベーターに乗り込み、当然のように別の階で降りてゆく。

そして、研究室の椅子をこうやって自分のもののように使って寝ている。